人とテクノロジーの掛け合わせで価値を見出す
イノベーティブに進み続ける最前線のコンサルタント

Talk01.X Innovationに携わる3人の仕事内容

「会社や組織の壁を越えて専門家を束ね、ユニークな観点で顧客企業や社会の課題解決に取り組む」

平山知弘(コンサルティング本部 ウェルラボ 所長)
感性設計/パーソナライズ(Well-being)の領域を束ねるリーダー

船山 私たちは、会社や専門領域を超えて、プロジェクトを推進しているメンバーです。電通総研では中期経営計画に、「社会、企業、生活者からの期待に応え続けるため、テクノロジー、業界、企業、地域などの枠を超えて社会や企業に変革を起こす」ことを表す「X Innovation(クロス イノベーション)」を掲げています。社会や企業の課題解決のためには、枠組みにとらわれず最適なチームを組成し、一丸となって取り組んでいく必要があります。
特に社会課題が高度化複雑化する中でお客様から私たちに寄せられる期待も、ITによる業務効率化やコスト低減に留まらず、“新サービスの開発”“事業の創出”“社会的責任への対応”など企業の持続的な成長や社会の変革に資する部分が大きくなっていると感じています。
そのような課題をいただいた際に、自分の専門領域と何かをかけ合わせれば解決できると感じる場面は多々あるのです。

新井 そういった意味ではそれぞれに強みを持つ電通国際情報サービス(ISID)・アイティアイディ・ISIDビジネスコンサルティングの3社が統合したことは、より垣根なく連携していけるようになり意味の大きなことに感じます。適材適所でチームを組んで事業を前進させていく考え方が私は好きです。

船山 新井さんとは共に業務改革に取り組んだ案件がたくさんありますね。例えば、産業車両メーカーのお客様は、グランドデザイン策定だけでなく、その後の業務プロセス構築の実行支援などをプロセス・ITで新井さん・私のそれぞれの得意分野で協業しました。産業車両メーカーのプロジェクトは3年くらい携わっていましたよね。

新井 自動車や産業車両のお客様の広い視野の業務プロセス改善にプロセス・ITの側面から取り組みました。船山さんは最終的な仕組みをITに落とすのも得意なので、私はヒアリングと打ち合わせを経てありたい姿と業務での重要な成功要因を形にして、船山さんや開発メンバーへつないでいく、という連携が多かったですね。私たちが得意としている「システムズエンジニアリング」の考え方を用いて、製品企画、設計、生産技術、保守・運用など多様な立場の人々が関わる製造業の現場において、製品が提供する価値を再定義し、技術や人材などをクロスして新しい価値観を生み出すお手伝いをします。電通総研グループ内だけでなく専門性を持った他社と協働することもあり、各専門領域から掘り下げて多面的にアプローチしています。

平山 私はWell-beingチームのリーダーとして、人の感性に寄り添ったもの・コトづくりを支援していますが、船山さん、新井さんと同じく、そのテーマにおいても電通グループや大学等と協業しサービスを提供しています。
大学の人間の感性に関する先行研究、電通の生活者に対する深いインサイト、アイティアイディ、ISIDビジネスコンサルティングの企画設計業務知識と、感性に関する知見、課題解決能力、ISIDのコンセプトをシステムにする力を組み合わせることで、顧客価値を実現することができる製品・サービス企画開発を支援しています。

船山 技術研究から、ISIDでソリューション化した例もありますね。

平山 そうですね。
目視による図面確認作業をサポートするAIソリューション「DiCA(ディーカ)」※1は、初めは顧客企業との技術研究がきっかけでしたが、その後、汎化されソリューション化を実現しました。また、ヘルスケア領域において生活者の属性や、性格、価値観から健康意識/健康行動を予測するアルゴリズム「actibit」※2の開発にもご協力いただきました。他にも、未知の分野をテーマとした研究と実証実験は、ISIDで国内外の企業や教育機関、スタートアップとのオープンコラボレーションを推進しているオープンイノベーションラボと協働しています。
人の感性に注目し、コンセプトレベルでなく、製品・サービスの実現までをビジネスドメインにとらえ、R&Dから設計行為まで踏み込み、サービス提供できる会社は少ないと思います。また、人の感情に対する理解は今の科学ではまだ限定的なので、非常にユニークなことができているという実感がありますね。

Talk02.イノベーション視点での未来像

「社会課題を踏まえた上で複数の企業を束ねて、業界全体を盛り上げていく必要があります」

船山裕輔(コンサルティング本部 プロジェクトデザイン1部 マネージャー)
業務改革のグランドデザイン策定から仕組み構築、成果獲得までの実行支援など

船山 企業が一社で戦っていくには厳しい時代に突入しています。海外に目を向けても、中国や韓国などは政府と一緒に産業を盛り上げていますし、国内でも業界の垣根を取り払いサービス展開する企業が増えてきています。我々はシンクタンクを持つ強みを生かし、社会の行く先や課題を踏まえて複数の企業を束ね、業界ごと盛り上げていく必要があるのかもしれません。教育の領域では、大学などの教育機関と連携し、日本の製造業の実態や魅力を学生が知る機会を設けて、ものづくり自体を盛り上げていきたい。そのためには企業のコンサルティングにとどまらず、次の担い手を育てる教育イノベーションを進められれば良いですね。

新井 昨今、まちづくり分野のコンサルティングも盛んになってきています。自治体職員、市民、得意分野を持つ多くの企業とともに、どのような街にしたいのか全体像を描くコンセンサスメイキングの役割を担うことが多いです。他にも、航空宇宙やドローンの社会実装に向けたコンソーシアムに教育機関と共に参画しています。社会の新しい仕組みやプラットフォームを活用して社会課題を解決する分野は、今後より広がると思います。そして、今は事業を企画して後押しする支援が主ですが、今後は我々自身が社会課題解決のための何らかの事業を提供していくことも模索したいですね。

平山 業務変革の効率化や戦略デザイン、新しいソリューション提供などの従来からのコンサルティング、SIサービスは引き続き提供しつつも、より直接的な実現に関する支援が加速すると考えています。従来の単一企業の単一サービス提供という限られた支援の形から、例えば企業複合体で作り上げられた仕組みを使って一緒に収益を立てていくような、外部や地域との共同でのイノベーションの一般化が進み、大きなビジネスを育むことができれば良いですね。

Talk03.より幸せな世界の実現に向けて

「もっと人が快適に暮らせ、イノベーションを生み出す可能性は、身近にたくさんあります」

新井ゆかり(コンサルティング本部 コンサルティング1部 シニアマネージャー)
製造業をはじめとする幅広いモノ・コトづくりに関わるお客様に対して組織の業務プロセス改革・人材育成を支援

新井 2015年にSDGsが国連で採択されて以降、脱炭素や技術革新の基盤作りといった持続的な社会の実現に向けた課題は、企業にとって必須で取り組むべき領域になってきています。人のためはもちろんですが、社会的価値をどれだけ提供できるかを企業が問われる時代です。

平山 Well-beingも社会貢献できるテーマです。サービスや製品を通して幸せを実現するのがウェルラボのミッションです。社会の仕組みやデジタル技術を駆使して、例えば、行動しているだけで健康増進できるヘルスケアサービスといった人の幸せにしっかりつながる製品やサービスがあふれる社会にしたいと思っています。そのためのキーワードの一つが「パーソナライズ技術」です。IoTやAIといったデジタル技術を活用することで、個人の健康状態や運動習慣などのデータを収集・分析。そのデータを活用することで人の特性や価値観などを踏まえたパーソナライズ化された様々なサービスの提供を可能にするものです。様々な組織も注力して取り組んでいる分野で、この技術の進化が、一人ひとりのWell-beingの向上に寄与していく日も近いと思います。

新井 スマートウォッチをつけていると1日の運動が習性になりますが、それがさらに個々にパーソナライズできたら確かに良いですね。運動量だけでなく、好みや価値観に結びついていると面白いと思いました。

平山 例えば健康状態や運動履歴も踏まえてスケジュールを管理してくれて、運動そのものを直接的にリコメンドするのではなく、その人の状況や他の関心事にあわせて「今日、あなたは品川で働くと、あなたが興味を持ちそうなこんなイベントがありますよ。」といったようなパーソナライズされたサービス展開も良いですね。

新井 健康に限らず業務改革にも使えそうです。アポを取る時に「この時間は空いていますか?」とカレンダーやメールソフトと意識せず連携したり、「この案件に強い特性を持つ〇〇さんと仕事してみたらどうですか?」と人をつなぐところまでアジャストしてくれたり。このようなサービスって実はできるはずなのに、今は人間が自らカレンダーを見ていますよね。もっと人が快適に暮らせて、それこそイノベーションを生み出せるように作り変える可能性は身近にたくさんあると思います。

船山 面白いですね。今話しているようなアイデアが、社内のあちこちで生まれやすいのが電通総研の良いところと言えますよね。3社が統合して特にイノベーションが生まれやすい今、これから入社する人は多くの学びが得られる環境で働くことができますよ。

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